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史涵さん写真展『混合の地域:大久保老舗物語』開催レポート
文学研究科社会学専攻博士後期課程在籍の史涵(し かん)さんの写真展『混合の地域:大久保老舗物語』が2024年5月22日(水)~6月2日(日) に大久保地域センターで開催されました。
本展はHUFFPOSTやNHKでも取り上げていただき、400名以上の方にお越しいただきました。
沢山のご来場、誠にありがとうございました。
このレポートでは、写真展の様子やトーク会、来場者の方のご感想をご紹介します。
会場は新大久保駅から徒歩数分の場所にある大久保地域センターです。
普段は地域の方々のコミュニティ活動や情報交換のために利用されている場所ですが、
史涵さんの活動や写真展の趣旨に深くご賛同いただき、
個人の活動発表の場としては初めて施設を開放していただけることとなりました。
今回の写真展で被写体となったのは、大久保にある4つの老舗の店主の方とその店内です。
会場には初日から多くの方が訪れました。
長年大久保に住む方、たまたま大久保公共センターに立ち寄った方、センターの元スタッフの方、
報道の方、映像作家の方、他大で文化人類学を学ぶ方、中央大学のゼミ生や卒業生…
入口に設けられた芳名帳には、様々な地域から来た方々のお名前が並びました。
被写体となった店主のみなさんは、開店時間の合間をぬって会場を訪れました。
互いに大久保で長いあいだ店を構えながら、写真展会場で初めて出会い、言葉を交わす場面もありました。
また会場には、センターを利用する様々なコミュニティの人もときおり行きかい、
現在の大久保の様相がそのまま反映されたような空間となっていました。
5月26日(日) にはトーク会が行われました。
史涵さんと登壇したのは、被写体となった老舗の店主である
「大久保スタジオM」の小二田さん・「中華料理興福楼」の陳さん・「関西風手打ちうどん伊予路」の伊藤さん、
そして大久保に生まれ育ったフラヌールの加藤浩樹(猫目)さんです。
60名定員の会議室は満員御礼で、立ち見も出るほどの大盛況となりました。
トーク会では大久保の明治時代からの歴史的な流れや、現在の大久保の変遷についてゲストの方々とお話しました。
史涵さんはガルシア・マルケスや司馬遷のことばを用いて、記憶すること、記録することについても語りました。
その後の質疑応答では、来場者の方から「韓流ブームから街が一変してしまい、今では20年前の街並みが思い出せない」など様々な意見をいただきました。
会場に設けられた感想ノートや史涵さんのInstagramへ届いた感想から、一部を抜粋してご紹介します。
「トークの構成と進行は、知的なエンターテインメントとして、たのしみました。話に司馬遷とマルケスが出てきたのには、ちょっとおどろきました。このふたりは、わたしが敬愛する作家、記録者です」
「トーク会を行ったこと、写真を撮った人がずっと在廊していたことにより、サードプレイス的な空間が産み出されていたので、写真の中にいる人々が、自分事となり、家族の一員になれたような暖かい気持ちが派生されるのと、行く回数を重ねる度にそれが強くなっていくことを感じました」
「わたしは大久保とはほとんど縁のない"部外者"だが、写真とトーク会を通して、コミュニティとしての「街」、個人の心象風景としての「街」のすがたを見ることができた」
「ここに展示されるお店の中だけでもすごい日常と非常を感じられたので、街全体はもっともっとドラマがたくさんありそうでワクワクしました」
「写真に動画も加わって、さらにシカンさんに見えている世界へ近づけるようでした。ひとつひとつの場が映画のような、積み重ねてきた物語を感じさせるような、奥行きを思いました」
「最让我印象深刻的是前辈的摄影带来的感动,那就是“生命力”
(=最も印象に残ったのは、先輩の写真からの“感動”、それは“
「摄影作品里记录着“变”与“不变”。通过摄影作品,
(=写真の中に、「変化」と「不変」が記録されています。また、
「この街に40年住んでいますが、史さんは本当にいい仕事をしています」
「どの写真の表情からも、史さんが築いてきた関係性の豊かさが読みとれます」
「おいしいごはんがたべたくなりました」
主催・協賛・協力者のみなさま、
4つの老舗の店主の方とそのご家族さま、
ご来場のみなさま、
写真展へ関わられたすべての方へ、
この場を借りて改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました。
写真展のレポートは以上となります。
社会学研究室では、今回の写真展のパネルを主に、史涵さんのこれまでの写真展からも数枚を選んだ企画展示『続・混合の地域:社会学と写真 記録のその先に』を7月5日(金)~24日(水)に開催致します。
詳細はこちらをご覧ください。
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